ブラジル音楽、聴きませんか?

皆さんはブラジル音楽に対して、どんなイメージを持っていますか?恐らく思い浮かべる言葉は、ボサノバボサノヴァ)、サンバ、そしてジャズサックスサクソフォン)演奏に取り組んでいる人ならば、テナーサックス奏者、スタンゲッツの名前を思い浮かべたりすることでしょう。ちなみに私、鈴木学の場合は、演奏活動の柱として、ジャズと併せて、取り組んでいる音楽ジャンルとなります。

ジャズの素材としてのボサノバ

一言に「ブラジル音楽」と言っても、実に多様な音楽がそこには含まれます。その全てを解説するのはあまりに煩雑になるので、ここでは参考となる記事のリンク先を紹介するのみとします。しかし少なくとも、サンバ、ボサノバがその全てではありません

加えて、我々ジャズファンが、スタンゲッツを通じて認識しているボサノバは、かなりアメリカ的な雰囲気に変質した音楽です。ここで、スタンゲッツの演奏と、ボサノバの開祖、ジョアンジルベルトの演奏を聞き比べてみましょう。曲はボサノバの名曲「ディザフィナード」です。

如何でしょうか?後者、ジョアンの演奏の方が、波のような揺らぎ、ゆったりした流れがあるように感じませんか?本来ボサノバは、このような揺らぐリズムを伴いながら、演奏表現するものなのですね。もちろん、ゲッツの演奏だって、そう言った要素は含んではいますが、ボサノバ感が薄まっているように感じます。

ブラジル音楽色々

広大な国土が示すように、ブラジル音楽は実に多彩です。女性歌手だって、日本で有名なアストラッド・ジルベルト以外にも大勢います。例えばこの、エリス・レジーナは素晴らしい歌手です。ブラジルでは大変な人気歌手だったそうです。歌唱、演奏の熱気がすごいです!!

男性歌手についても、実に多士済々です。綺羅星のようなスター歌手が大勢いるのですが、ここではこの人をご紹介します。ジョルジ・ベンです。ちなみに、日本で人気のある楽曲「マシュ・ケ・ナダ」は彼の作品です。

アドリブ素材としてのブラジル音楽

そして、アドリブ、即興演奏の素材として、ブラジル音楽の楽曲を取り上げると大変に面白いです。ジャズの世界で一般化していない楽曲の中にも、即興演奏に適したものがたくさんあります。例えば、これはブラジル人のピアノトリオ、Zimbo Trioの演奏なのですが、ジャズのピアノトリオに準じたスタイルで、ブラジルの楽曲を素材に、見事な即興演奏を披露しています。このトリオ、すごくお勧めなので2曲紹介します!

如何でしょうか?サンバ、ボサノバ以外にもブラジル音楽は面白そうでしょう?皆さん是非、積極的に聴いて、演奏してみてくださいね。確実に音楽の世界が広がりますよ!

もしも、自分の演奏に取り入れたいという人がいらっしゃるならば、この教本『ブラジリアン&アフロキューバン・ジャズ・コンセプション アルト/バリトン・サックス』がおすすめです。テナー用はこちらをどうぞ!是非、参考にしてくださいね!