リラックスしてサックスを演奏するには②

【今回のブログは、前回のブログの後編となります。まずは、前回のブログ『リラックスしてサックスを演奏するには?①』を先にご覧下さい。】

肩のリキみは禁物!

サックス演奏

レッスンの最中に、生徒さんがサックスを吹いている姿を拝見すると、かなりの数の方が、不必要に肩を持ち上げ、力を入れた状態で演奏しています。これは様々な点から、大変好ましくない状態です。

 

まず、肩が力むと、喉の筋肉、胸の周囲の筋肉も硬くなってしまいます。そうなると、喉のコントロールがうまくいかなくなり、息を取る時にも十分に胸、そして肺を拡げる事が難しくなってしまいます。実際、音程が上手くコントロールできない方、頑張って吹いているわりには音量が出せない方は、十中八九、肩に力が入りすぎています。

 

更に、肩のリキみは、フィンガリングにも影響します。腕、指にもリキみが伝わってしまい、サックスを常に強く握り締めるような状態になってしまいがちです。これでは当然、指をすばやく動かす事は困難になります。 このように肩のリキみあると、それが原因で、様々にサックス演奏上の不都合が生じてしまうのです。

格好良い姿勢で、サックスを!

肩のリキミをなくす為には、まず良い演奏姿勢をする事です。良い演奏姿勢とは一般的に、腰が丸くならず、起きた状態で適度に胸を張る姿勢です。所謂『気をつけ!』の姿勢だと考えていただいて構いません。 反対に、これは良くない、という悪い姿勢の例を挙げますと・・、

  • 背中、腰が丸まった『猫背』の状態
  • マウスピースに向かって首、あごを突き出した状態
  • 目線が上に向かい、顎が上がって首が伸びてしまっている状態 

他にもあるかもしれませんが、主な症状は上記の3点です。如何でしょう?皆さんも、どれかに当てはまってはいませんか?

 

そもそも、上記のような姿勢でサックスを演奏していると、見た目がとても『カッコ悪い』です。一般的にカッコいい姿勢で演奏している方は、肩を含め全身の無駄なリキみが少ない傾向になります。それでは、そのようなカッコいい演奏姿勢をする為には、どんな事に気をつけると良いのでしょうか?その答えは、ストラップの使い方にあります。

ネック・ストラップにご注意を!

サックスを首から提げる際に装着するストラップ(ネック・ストラップ)はサックスの演奏姿勢に大変大きな影響を与えます。ストラップは、奏者の体系や好みに合わせて、長さが調整できるようになっていますが、この長さの調整が問題なのです。

 

まず上記①、②の場合は、ストラップの長さを長く合わせすぎています。どちらの場合も、マウスピースが口から離れた位置に来てしまう為、奏者の方からマウスピースの方へ近づいていこうとする事から、悪い姿勢になってしまっています。コレを避ける為には、ストラップの長さをもっと短くして、楽器を構える時に、マウスピースが自然に口に入ってくるような長さにセットしてください。もちろん、この時に奏者自身が、上記のような良い演奏姿勢をとっている事が必要です!

 

次に上記③の場合は、ストラップを短く合わせすぎていることによります。マウスピースを咥える際に、顎が上がらず、目線が家を向いてしまわないような長さにセットしましょう。マウスピースの上に、上の歯をガッチリと乗せて、自分の方へ引き寄せるような感じにできるような長さに合わせると良いでしょう。

演奏中、楽器を持ち上げていませんか?

手の痛み

不適切なストラップの長さのまま演奏していると、演奏姿勢の他にも、別の問題が発生します。 元来、サックスは楽器本体の重さのほとんどを、ストラップで支えるようして演奏する楽器です。しかし、ストラップの長さが合っていないと、サックスのキーを押さえている両手の指、特に右手の親指で楽器を持ち上げている状態になってしまいます。こうなると、腕、肩に不必要な力が入ってしまい、サックスの音色、音程に大きな悪影響を与えてしまいます。更に、最悪の場合、右手親指に過大な負担がかかるため、腱鞘炎を患う事になる可能性すらあります。

 

このような事態になるのを避ける為、そして、より良い音程、音色で演奏する為にも、ストラップの長さの調整には、細心の注意をはらってください。この点は、サックス演奏上、非常に重要なポイントなのです。

 

特に、小柄で首が細い女性の場合、市販のストラップの長さが合わない例が多い為、特別の注意をお願いします。

 

【前回~今回のまとめ】

  • リラックスしてサックスを演奏する為には、 『鼻声』で『軽く高い声を歌うようなイメージでサックスを吹く』ようにしましょう!
  • 下腹で踏ん張らないように注意し、胸周りをしっかり拡げて呼吸するようにしましょう!
  • 良い演奏姿勢になるよう、ストラップの長さを適切に合わせましょう!