リラックスしてサックスを演奏するには①

サックスサクソフォン)の演奏時、音程、特に高音の音程が下がってしまう傾向にある方は意外に多いようです。前々回のブログ「最も厄介なもの『音程』①」で指摘したとおり、サックス演奏上大変重要な『音程』を安定させるために重要なのは、常にハイピッチを目指す事なのですが、コレがなかなか簡単にはできません。ほとんどの方が、音程を『上げる』というと、体に力を入れて頑張ろうとします。『上げる』という語感が、そういった反応に繋がりやすいという事もありますが、実は音程を上げる為の最大のコツは、頑張る事の正反対、力を抜く、リラックスすることなのです。

『地声』ではなく『鼻声』で!

歌う

リラックスした状態でサックス演奏するための前提条件は、前回のブログ「最も厄介なもの『音程』②」でお話した喉の使い方です。喉がうまく使えていないと、そもそもサックスの音が出ません。音程どころではなくなってしまいます。前回お話したとおり、『軽く高い声を歌うようなイメージでサックスを吹く』ようにする事が重要です。

 

この『軽く高い声を歌う』ようにする時のポイントは、喉そのもので歌う『地声』ではなく、軟口蓋から上顎のほうに響かせる『鼻声』で歌うようなイメージにする事です。オペラのソプラノ、テノール歌手が高音を歌うようなムードをイメージすると良いでしょう。『地声』だと、どうしても喉が力みやすくなり、音程が下がり気味になる上、音色も粗くなってしまいます。『鼻声』にすると、喉に力みも出にくい上に、副鼻腔を共鳴させる事ができ、音色が艶やかになります

 

『鼻声』で『軽く高い声を歌うようなイメージでサックスを吹く』ことで、サックスの発音の効率が飛躍的に高まります。ほんの僅かな力で、サックスを鳴らすことができるようになる、ということです。こうなれば、体全体をリラックスさせていく事は極めて容易です。この後に続くポイントを修正したのに成果が上がらないという場合、必ずこの点を再確認してください。

間違った腹式呼吸

ここ日本では、腹式呼吸という呼吸法が大きく誤解されているようです。チョット考えれば、誰でもすぐに理解できる事なのですが、人間は肺で呼吸します。そして、肺は胸にあります。お腹に肺はありません。あくまで、人間は胸で呼吸するのであって、その補助としてお腹をうまく使いましょう、というのが腹式呼吸なのです。

 

しかし、腹式呼吸という言葉を、皆さんは、『胸を使ってはいけない、お腹にしっかり力を入れて息を支えるなければならない』と解釈し(若しくは、そのように教えられ)、演奏中不必要に下腹に力を入れて、踏ん張るようにして発音してしまいます。こうなると、下腹のリキみが、喉にまで影響し、喉をを引き下げ硬直させてしまう上、肺の周辺、胸周り、横隔膜も硬くなり、十分に肺を広げることができなくなってしまいます。喉が開き、空気圧が下がれば、当然音程は下がります。この状態が、リキみにより、音程を下げてしまう典型例の一つです。

 

このような、間違った腹式呼吸をしていると、もの凄く力を入れて頑張っているわりに、か細い小さい音しか出せない筈です。他にも音量が小さくなってしまう要素はありますが、まずは、このような間違った腹式呼吸をしていないか?思い当たる方は確認をお勧めします。

下腹のリキみは禁物!

私、鈴木学は呼吸法のレッスンをする際、まずは良い姿勢をとる事、それから胸周りをしっかり拡げて呼吸する事をお勧めしています。そして、下腹の力を抜く為に、様々なアドヴァイスをしていきます。その結果、下腹の力を抜く事ができると、必ず音程は上がっていきます。サックスの音程の安定の為に好ましいハイピッチになっていくのです。

 

具体的な練習方法としては、演奏しながら、足踏みする練習がお勧めです。足踏みをしていると、下腹で踏ん張れなくなるので、自然にお腹がリラックスできます。どうしても音程が下がってしまうという方、是非この練習をお試し下さい!