2017 Swing Kids 知多半島ツアー帯同記

以前から、鈴木サキソフォンスクール公式ブログ内で、「【SWING KIDS】天使たちの奏でるジャズ①」に始まる一連の記事でご紹介していた、スイスの子供ジャズビッグバンド「Dai Kimoto & Swing Kids」が2年ぶりに来日し、愛知県知多半島区域で、その素晴らしい演奏を披露しました。

武豊町民会館「ゆめたろうプラザ」公演

Swing Kidsは結成以来、一年おきに来日しており、今回で8回目の日本ツアーになるとのことです。武豊町民会館での公演については、Swing Kidsの指導者、木元大さんと私、鈴木学の個人的なつながりから実現し、今回で3度目となりました。今回の武豊町民会館での公演は前回、前々回と同様に、まずは武豊中学校吹奏楽部、次に私の指導する武豊町民ビッグバンド、Swing Band TAKETOYOの演奏へと続き、Swing Kidsによる1時間のコンサートで締める、という内容となりました。

毎回思うのですが、キッズ達はもう本当に可愛いのです。特に楽器を持っていない時は無邪気な子供そのもの、我々日本人の眼から見ると、フランス人形が動き回っているようです!今回もキッズが町民会館に到着後、まずは歓迎の意味でお楽しみをと、Swing Band TAKETOYO(会館での公演を主催、全て企画しています)のメンバー達が準備した、「綿菓子造り体験」にチャレンジしました。キッズ達の興味津々な様子が、とても可愛いです!

簡単なサウンドチェック、リハーサルを終えた後(キッズ達はそれほど入念なリハーサルはしません。即本番でもバッチリです!)、控室で見つけたキャスター付きの椅子が面白かったようで、こんなことになっていました。

ステージの前はこんな感じなのに、本番ステージでは・・

バシッと決まっていますね!カッコいいです!毎回、キッズの演奏は素晴らしいのですが、メンバーが入れ替わる事もあり(18歳で「定年」だそうです・・)、年ごとに若干バンドのキャラクターが変化します。個人的には、今回のバンドはすごく「魅せる」バンドになっているなと感じました。キッズ独特の「美しくダイナミックなジャズ」であることに加えて、よりバンドの一体感がありつつ、観客にとって「魅力的」と感じられる雰囲気があるバンドになっていました。もちろん、ホール一杯の観客の皆様も、大いにキッズのステージに魅了されたようでした!


キッズの音楽について、詳しくは私が過去に書いたブログをご覧ください。

武豊小学校、中学校訪問

Swing Kidsの武豊町滞在2日目は(キッズ達はホームステイしています)、武豊町内の小学校、中学校の訪問が予定されていました。小学校ではミニコンサートも企画されました。コンサート開始直後の小学生たちは、さすがにオッカナビックリな様子で、スイスから来た子供たちの演奏を聞いて(観察して?)いましたが・・

徐々にキッズの演奏のノリを感じてきて、木元さんが盛り上げると・・

800名の小学生がほぼ総立ち、特にバンドに近い位置で聴いていた小学生たちが、キッズの演奏にあおられて踊り狂っていました!もちろん、先生方や関係者がきちんと見ていたので、それなりに秩序はあったのですが、子供たちが踊りまくる様は、中々の見ものでした!これもキッズの演奏のパワーによるものでしょうね!


この後、武豊小学校の生徒から、キッズ達へのお返しとして、和太鼓の演舞が披露されました。キッズ達は皆興味深そうに聞いていました。

演舞が終わった後、Swing Kidsのドラマー、ヨーシャ君に「シング・シング・シング(ドラムのソロで有名な曲)、やってみなよ!」と勧めてみたら、この通り・・

(恐らく)初めて見る和太鼓と、太いバチで見事な「シング・シング・シング」が始まりました!なんと太鼓の胴まで叩いて、音色の変化を表現しています!これには、その場に居合わせた皆が大盛り上がり、拍手喝さいとなりました!


この後、武豊中学校に向かい、吹奏楽部との交流会に臨みました。中学生はまだ授業中だったため1時間ほど時間が空きました。するとキッズ達は「ジャムセッションがしたい!」とのこと、ちょうど音楽室が空いていたので、そちらに向かいセッションが始まりました。ついさっき1時間の演奏を終えたばかりだというのに、本当に音楽が大好きなのですねえ!

もちろん私もセッションに加わったのですが、キッズ達の様子を見ていると、まずは一番ジャズに詳しい、お姉さん格のラッパの女の子が「フンフンフン」とメロディーの断片を思い出すように歌い始めます。するとベースの女の子が、その曲のリズムとサウンドを思い出して、弟でもあるドラマーに伝えます。その間に、ラッパの女の子が自分の楽器でメロディーを見つけ出し、その曲をあまり知らないメンバーに教えます。そして、楽曲の演奏がスタートします!

その様子が実に自然でした。普段から同様にしているのでしょうね。もちろんジャズですから、途中からは皆アドリブソロを披露していきつつ、楽曲を創り上げます。キッズ達はそれを主に「耳を頼りに」やり遂げるのです。「楽譜が無いとできない」なんて、誰も言いません。これならば、皆、耳が良くなっていくのも当然だなと深く納得しました。

セントレアでコンサート!

この次の日の朝、キッズ達は次の演奏地京都へと向かい、いったん知多半島から離れました。もともと、京都での演奏(火曜日、水曜日)から次の仙台での演奏(土曜日)まで、日程が空く予定でした。しかし木元さんから、「せっかくだからどこかで演奏したい。鈴木さん、良い所ないかなあ」と相談を受けて、様々に検討した結果、中部国際空港セントレアで演奏する案が浮上してきました。

木元さんからすると、そうなるとセントレア付近に滞在しつつ、キッズ達を観光としてナガシマスパーランドに連れて行ったりもできるし、大変塩梅が良いとの事、よし!ならばセントレアだ!というわけで交渉を進め、コンサートが実現しました。

平日(木曜日)の昼間という事もあり、観客が集まってくれるかとの不安もありましたが、Swing Band TAKETOYOのメンバーのサポートもあり、実際は・・

セントレアの4Fど真ん中に位置するイベントプラザに、大勢の観客の皆様が集まってくださいました。やはり、キッズのサウンドの美しさには「引き寄せ効果」があるのですね!しかも巨大なスクリーンにかわいらしい子供の姿まで映し出されていましたから、更にどんどんと観客が集まってきました。恐らく延べ人数にしたら、数百人は集まったのではないでしょうか?

お陰様で、セントレアでのキッズのコンサートは大成功となりました。企画者として、本当に良かったと思います。そして結果的に、武豊町でキッズ達のホームステイ先となったホストファミリーにとって、キッズとの再会のチャンスとなったこともあり、武豊町での一連の企画との相乗効果も上がり、尚更よかったと思います。


個人的に、2年に一度のSwing Kids、そして木元さんとの再会は、心のデトックス(?)となっています。キッズの奏でる濁りの無い美しい音、その音から伝わるピュアな心、数日間それに触れているだけで、本当に心が洗われます。木元さん、キッズの皆、いつも骨を折ってくださるSBTの皆さん、他にも関係者の皆様、そしてキッズの演奏を聞きに足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。また、2年後をお楽しみに!