オール自作曲でライブ出演!

撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

つい先日(2018/01/30)、名古屋の老舗ジャズライブハウス、jazz inn LOVELYにライブ出演した際、これまでのジャズメンとしてのキャリアの中で初めて、全て私、鈴木学自ら作曲したオリジナル曲、自作曲でプログラムを構成して演奏しました(正確に言うとボーカリストの家内、鈴木智香子の出場部分はボサノバスタンダード曲でしたが・・)。

(今回のライブでは、写真家の越野龍彦さんがご来店、素敵な写真を多数撮っていただいたので、記事と併せてご紹介します。どれも動きがあって面白い写真ばかりです。越野さん、ありがとうございました!)

私、独自の音楽としてアピールしたい!

撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

何故、全曲自作曲でのライブを思い立ったのかと言えば、何となく、ジャズを聴いてくださるお客様の価値観が以前とは変化してきているように感じたからです。

 

私がデビューした頃のジャズライブシーンでは、ジャズ演奏家としての演奏能力がある程度のレベルにあり、演奏者としての個性がある程度確立していれば、それだけでもお客様に受け入れていただけました。というのは、まだかなりの数、ジャズリスナーの皆様が、現役世代として働いておられ、ジャズのお店にも多数ご来店いただいていましたから、ジャズファンならばご存知であろうジャズの名曲を、きちんとしたジャズ演奏で聴いていいただく事こそが当時のスタイルだったのです

しかし、それから月日は過ぎ、ジャズファン世代のリスナーの多くが、今ではお仕事をリタイヤされ、ジャズのお店からも足が遠のいてしまったご様子。その結果として、お客様も世代交代が進み、リアルタイムでジャズを聴いていない世代の方が、ジャズライブハウス、ジャズクラブにいらっしゃるようになりました。

そんなお客様にお聞きいただくには、どんなジャズ演奏が好ましいだろうか?それには、様々な要素があるでしょうが、まずはこれまでの演奏してきた楽曲のラインナップを見直してみようと考えました。今までならば、お客様ご自身のジャズ体験があり、ジャズの名曲もご存じであったはず、それが今では必ずしもそうではない・・。つまり「ジャズの名曲を演奏する」という方向性が、お客様にとって「?」なものになってしまうかもしれない・・

ならば、誰でも親しみやすい楽曲、よりポップな楽曲、誰でも一度聴いたら記憶してもらえるような楽曲を素材として取り上げればよいのでは?既存の楽曲の中にそれが無いならば、自分で作曲すればよい。そうすることで、私自身のミュージシャン、ジャズサックス(サクソフォン)プレイヤー、奏者としてのアピールにもつながるはず・・。このように考えた結果たどり着いたのが、今回のライブだったのです。

演奏が新鮮で面白い!

撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

全て自作曲でジャズライブをやる効果は、演奏自体にも感じられました。すべての楽曲の演奏がとにかく新鮮なのです。既存の楽曲を演奏する場合、たいていは誰かの手による演奏が音源として残されています。そうなると、その演奏者の音源での解釈がスタンダード(基準)として存在する事となり、どうしても少なからぬ影響を受けた状態になります。そこから、自分なりの演奏を生み出そうと試みるのは、結構きついのです。

しかし自作曲ならば、あくまで真っ新な状態からイメージできます。それは譜面だけ渡されるバンドメンバーにとってだけでなく、作曲者の私にとっても同様です。作曲したとは言っても、実際にバンドで音にしてみるまでは、あくまで頭の中の想像の世界で鳴っている状態ですから、現実の音で聴くと実に新鮮です。ステージ上で即興的に楽曲に仕立てていくのは、実に楽しいのです!

私のステージでのみ、聞いていただける楽曲

撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/
撮影、越野龍彦氏 http://t-koshino.com/

今回のライブを終えて、今後お客様から「あなたの曲を聴きたいから、ライブに来たよ」なんて言っていただけるようになると良いなと、強く心に思いました。もしも本当にそうなれれば、実にありがたいことです。しかし、実際のところ確かに、私の自作曲は私の出演ライブでのみ演奏されることとなります。そんなに非現実的な話ではないのです。

これからは、教室のホームコンサートでも、積極的に自作曲のみのプログラムで演奏しようと思います。そして引き続き、皆様に喜んでいただけるような楽曲を作曲できたらと思います。皆様、是非今後ともお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。